不条理な本棚
新型コロナウィルスが国内感染していく現状に重ね合わせたのか、アルベール・カミュの《ペスト》が売れているそうです。在庫切れ、重版にまでなっているとか。
そういえば持っていた気がする、と本棚を見ると、やっぱりありました。《異邦人》《幸福な死》もあり、そんなにカミュ好きだったのかしらと、自分のことながら笑ってしまいました。しかも《ペスト》の隣には、フランツ・カフカの《変身》が並んでいて、なんでしょうねこの若気の至り。
《変身》は娘が持っていきました。ずっと家にいるし、新5年が読むにはちょうどいいかもしれません。
消費税表示が3%でした。懐かしい。
本棚を見られるのは恥ずかしい、というのが少しわかった気がします。恥ずかしいついでにいうと、カミュ、カフカ、の隣には、三島由紀夫と遠藤周作がならんでいました。若気の至りというか、もう青いですね。ちょっと手汗がすごいです、今。笑
こういった、不条理な小説を理解できるようになるのは、何歳くらいからなのでしょう。中でも《変身》は小学生でも理解しやすいと思うのです。が、読解でも心情理解がイマイチ弱い娘なので、もしかしたらまだ早いかもしれない。
理解といえば、サン=テグジュペリの《星の王子様》。私はこれがなかなか理解できなかったのです。どこへ行っても名作と言われていて、地球レベルで誰もが知っているお話ですが、このお話の何がどういいのか、高校生になってもわかりませんでした。今まで読んできた中で、難解ベスト3といってもいいかもしれない。
永遠の難解ナンバー1は、ジェイムズ・ジョイスの《ユリシーズ》。持っているけれど、全然読めていません。途中で挫折してしまいます。これはホメロスの《オデュッセイア》が下地になっているので、これを理解してないとわからないし、まずもって《オデュッセイア》が私には難しい。
その昔、親戚のインテリなおじさんが、小学生の私に《イーリアス》と《オデュッセイア》をくれました。まだ手元にありますが、いまだに完読していません。難解ナンバー2です…。
そろそろ私が読んでいた本たちを、娘に解放してもいいかもしれない。
読みたいものは勝手に読めばいいのよ。私もそうでした。親の本棚のトルストイとか、読めたらカッコいい!的な好奇心で手を出したりしましたから。好きなだけ読むがいいよ。
《変身》を読んだら、次は妹尾河童の《河童が覗いた〜》シリーズを読破するんだそうです。
私も読み返そうかな。