イイ子ちゃん
中高一貫校に通っていたという後輩がポロッと漏らした一言が、ずっと気にかかっています。
――校則が厳しかったので、イイ子ちゃんでいようとしていました。イイ子ちゃんだったがために、自分で考える力、疑問を持つこと、意見を持つこと、ができないまま、大人になってしまったんです。
あれれ、これは。
自分で考える力、疑問を持つこと、意見を持つこと。
常日頃、娘に足りないと思っていることと同じではありませんか。
そもそもの性格があることは大前提ですが。
娘は強い反抗こそ(今はまだ)しませんが、頑なに頑固です。どんなに注意されても叱られても、自分がこうと決めたことは曲げません。
一転、いざ自由を与えると、ゼロベースから何をしたらいいのか戸惑います。自分の自由(遊び)に関しては例外ですが、義務を果たすとなると、指示を待たないとしっかり動けません。
これは、私たち親の責任だと思っています。あれこれ手を貸しすぎました。手を貸しすぎる割りに、自分のことは自分でやりなさいという、なかなかの矛盾がありました。
自分で考えることをさせなかったのに、何がいけないか考えさせる。
無理に決まっています。
特に父親に対しては、すでに顔色を伺っているようなところがあります。どう答えたら父が満足するのか。どう振る舞えば叱られないのか。そっちに思考が偏っていて、本質を考える力があまり育っていない気がしています。
勉強も大事ですがそれだけでは生きていけないので、少しずつ見直していかなければ。
いろんな意味で、育児は忍耐なんだなあ。