国立科学博物館 昆虫展
ずーーーっと行きたがっていた、国立科学博物館の昆虫展に行ってきました。
一言で表すなら、オトナの本気。どうだ!と言わんばかりの、こども心を鷲掴みにする展示のあれこれ。すごい、しか言葉が出てきませんでした。本当にすごいんですよ。
博物館でこんなに白熱したのは久しぶりです。半日観てましたけど、もう一回行きたいくらいです。音声ガイドをレンタルした娘は、ずっとヘッドフォンをしたままで、ガイドに聴き入っていました。私も借りればよかったー!
入口すぐにある2メートルの巨大な昆虫模型。もうここですでに、娘のハートをがっちりキャッチされました(私も)。台には鏡が張られているので、いつもはなかなか見られない腹側も観察することができます。ニホンミツバチの他に、ミヤマクワガタ、ヒトスジシマカ、オオムラサキ、ミンミンゼミが鎮座していました。
世界一美しいと言われているモルフォチョウの仲間の、タイヨウモルフォ。モルフォチョウ属は青系が多いけれど、このタイヨウモルフォもステキでした。右下の模様は裏側です。
チョウの鱗粉には微細な溝が縦横に刻まれていて、光の当たり具合によって起こる屈折と反射が、あのメタリックな色を人間の目に見せているのだそうです(人間の色の見え方と、昆虫の色の見え方も違います)。鱗粉自体に色が付いている訳ではなく、鱗粉の溝で屈折した光が、青系の波長のみを人間の目に映しているだけなのです。色素による色ではなくその構造によって見える色なので、構造色、といいます。なにこれすごい。
テイジンがその原理を元に、キラキラした繊維やフィルム、マニキュア、クルマの塗料なんかを創り出しています。詳しくはテイジンの資料からどうぞ。
https://www.teijin.co.jp/recruit/career/rd/pdf/teijin_labo_03.pdf
もうね、心のへえボタン、押しっぱなし。
モルフォチョウ以外にも、綺麗なチョウの標本がたくさんありました。今回、私はチョウの虜になった感があります(苦手なのに)。
綺麗といえば、プラチナコガネの仲間たちが相当メタリックです。どうなってんのこれ。写真じゃ伝わらないかも。
なんだろう、もう、本当に宝石のようでした。
語彙力がなくて、なんて言っていいかわからないけれど、博物館側の熱はガンガンに伝わってきました。
相当数ある標本群ですが、これで博物館の数パーセントでしかないとか。どんだけなの。この標本回廊は、もっとじっくり時間をかけて見たかったなあ。
そしてこの特別展のために、マダガスカルで採取した新種の青蜂(セイボウ)。小さすぎて色がわからないけれど、モルフォチョウにもプラチナコガネにも勝るとも劣らない、真っ青なボディです。
もう少し早く行くと、この新種の名前募集キャンペーンをやっていたのですって。嗚呼残念。
ていうか、一特別展のために新種を探しに行くんですよ?尋常じゃないと思いました。オトナの本気ナメんな!って言われた気分です。正座してお話拝聴いたしたいですハイ。
物販のお目当てだった、ハナカマキリのジャポニカ学習帳は売り切れでした。が、娘は虫入りの琥珀を買ってもらい、ウキウキです。
家に帰ってから何度寝なさい!と言っても、ひたすら顕微鏡で琥珀を覗いていました。
今回、チョウの鱗粉の謎が目から鱗でしたが、もうひとつ衝撃的な事実が。
こういう、果物なんかを仕込んで樹木にセットする虫捕りの方法は、国立科学博物館の野村博士が考案したのだそうで、その名もノムラホイホイといいます。材料は、ペットボトルと中に入れるエサのバナナなど、樹に固定するための針金や紐。
この仕組みに名前があることが、一番の驚きでした。野村先生…!